Keiko先生のきものDiary vol.3

伝統と時代(その2)

足袋についての追記です。

足袋には夏物の麻の素材のものがありますが、夏になったらこれを履かなければいけないというものではありません。
麻の足袋は、薄くてフィット感が無いので指の形がリアルに反映されて何となく生々しい印象です。あ、これは個人の見解です。
汗をかいてクーラーのあるところに行くと、麻の足袋は冷えますね。
冷え性の方は夏でもネル裏の足袋を履いています。
真っ白な木綿の足袋が、私は一番好きです。

そして肌襦袢

着物は茶筒の様に凹凸なく着るのが基本です。
胸の大きい方は、和装用のブラジャーか、カップのないスポーツブラ辺りで平らにしておきましょう。
最近は、ナベブラと言ってオナベの方が利用する胸を潰すブラを利用する方も居ます。楽天とかで買えちゃいます。
この凹凸を無くすというのが大事なのです。
補整についてはまた後日。
それを踏まえて肌襦袢を着ます。
所謂下着です。
晒し木綿のものは一年を通して、ガーゼのものは冬に向いています。
この肌襦袢にも小衿と言って、細い別布の襟が付いています。大抵お洗濯の事を考えてポリエステルが殆どです。
同じ白だったり、赤の小衿だったりピンクの小衿だったりします。
これはお好みです。市場に出回っているのは白が殆どです。
色がついているものは、芸者さんや、踊りの方など着る物の種類や踊りの内容などで色を決めている場合もあります。
不祝儀ものを踊る時は、赤は着ません。やはり白。
でもどうせ下着なんだから見えないじゃない、と思われますが、小衿というのは長襦袢の襟から少し見えているものなのです。
小衿の役割は長襦袢に付いている半襟に汚れがつかない様に、小衿で防染するのです。
白粉や皮脂汚れなどが半襟に直接つくのを防ぐのです。
半襟って、凄く汚れます。頻繁に洗う度に半襟を外すことになってしまいます。
お裁縫が得意な方でも半襟つけって、かなりの負担になってしまいます。着物を敬遠する理由の一つになってしまってます…

最近は普段から着物を着て生活しているという方は殆どおらず、こういう事を知らないので、着付けをしてあげると「下着が見えてます」とクレームみたいになっちゃう事があります。一応説明しますが、見えない方がいいって感じていらっしゃると思ったら小衿が見えない様にします。汚れる程着ないしね…と思っちゃいます。
着付け教室などでも小衿の事、あまり説明せず半襟から見えない様に教えているところも多数あります。
時々、家にあった肌襦袢を持ってきてお稽古する方の中に、身頃は白の晒しで、袖と小衿が赤のものやピンクなものなどを持ってくる方がいらっしゃいますが、これは踊り用ですね。
着物の身八つ口からチラリと覗く時に、白だとちょっと…ということかもしれませんね。見えないところも華やかに。
お稽古で使う分には全く問題無いです。
長くなりましたが、今回はここまでです。

投稿者プロフィール

KEIKO
KEIKO
着付師
着物コーディネーター
茶道、華道、カラーコーディネート、フラワーコーディネーター資格所有
某着物学院講師20年

女子アナウンサー、オリンピック代表選手などの振袖着付け
神崎流地唄舞名取

One thought on “Keiko先生のきものDiary vol.3

  1. さきこ より:

    すごく勉強になりました!
    ちら見えのかわいい色もすてきですが、白って、やっぱり万能ですね〜。

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