Keiko先生のきものDiary vol.4

伝統と時代(その3)

裾除けについて 

昔はお腰と言ったり、関東では蹴出しと言ったりしますが、一般的に裾除けというものが下半身につける下着になります。1枚の布を巻きスカートのように巻き付けるのですが、スカートのようになっている東スカートという商品名のものもあります。スカートのようになっているものは、日本舞踊などで男舞などをする際に足を割ったりするので、はだけすぎないようにスカートタイプになっています。どちらも下着としての用途は同じです。 

素材は、綿、ベンベルグ、絹、真冬の時にはウールやネルというものや、夏には麻や絽目になっている透け感のあるものなどがあります。通年使えるものとしては、ベンベルグが一般的のようです。私はなるべく天然素材を身に着けていたいので絹を愛用しております。 

最近では浴衣を購入すると下着がセットになっていて、肌襦袢と裾除けがつながったワンピースのような下着も多くなっています。簡単で人気のようですが、これは裾除けの本来の役割をあまり果たしていないのです。裾除けには、身頃の広い部分の上のほうに別布で綿の布がついているのが一般的な形ですが、この別布が体型の補整、つまりコルセットの役割になるのです。初心者の方に裾除けのつけ方を簡単に説明して付けてもらうと、この別布の部分をウエストのくびれに当てて巻き始めます。長すぎるのならば仕方が無いのですが、本来は別布の部分は下腹に当てて骨盤をしっかり引き締めて、おなかのポッコリをフラットになるように巻くものなのです。痩せている方やお若い方は下腹のポッコリには縁がないと思いますが、これをすっきり巻くことで着姿が見違えるように変わります。ですから私はワンピース型よりも裾除け愛用者です。下腹マジックは必須アイテムです。そして骨盤をしっかり締めるということで体型の維持、身体の調子など良いことがたくさんあります。お化粧と一緒で、下地をきちんとすれば崩れないのです。

投稿者プロフィール

KEIKO
KEIKO
着付師
着物コーディネーター
茶道、華道、カラーコーディネート、フラワーコーディネーター資格所有
某着物学院講師20年

女子アナウンサー、オリンピック代表選手などの振袖着付け
神崎流地唄舞名取

2 thoughts on “Keiko先生のきものDiary vol.4

  1. Komatsu Ayami より:

    裾除けの補正の意味を知りました。昔からあるものって意味があるんですね。勉強になります。

    1. KEIKO より:

      ありがとうございます。
      意味を知ると楽しくなるかもしれませんね。自分に合ったものを選ぶ指針になれば嬉しいです。

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