Keiko先生のきものDiary vol.6
着物を着るためには補整が必要ということ その1
下着類の準備が出来たら、「補整」で体型の凹凸を無くして筒型の体型にしましょう。太って見えてしまうので極力補整はしたくない、と思っている方がいらっしゃいますが、正しい補整をすればすっきりした着姿になります。
補整には、着物に合わせた体型にしてすっきり見せるということに加えて、①苦しく無くなる、②着崩れを防ぐという大きな目的があります。苦しく無くなるというのは、身体に直接紐が食い込むとどんな方でも時間が経つと痛くなってきますが、そこにタオル1枚でも巻いてあると快適になるということです。
洋服は曲線を強調し、胸は大きくウエストは細く、コカ・コーラの瓶のようにみせるのを良しとしていますよね。これを着物に置き換えると、胸を大きくすると襟元がはだけ易く、帯を巻いた時に帯に胸がのってしまい老けた印象になってしまいます。不思議なのですがそう見えるのですよ…逆に胸が薄くてお痩せになっている方も何故か老けて見えてしまうのです。ですからお振袖を着る若いお嬢様は鳩胸にします。初々しさを出す意味もあり、花嫁の着付けの時もかなり鳩胸にします。普段のお着物でも、胸元がふっくらしていた方が柔らかい印象になります。
洋服がコカ・コーラの瓶だとするならば、和服は茶筒のように凹凸なく寸胴にします。着物は直線断ちの直線縫いでできています。それを丸みのある身体に着付けていく美しさというか面白さがありますね。
凹凸を無くすことによって、余計な皺が無くなり着崩れるということが無くなってきます。皺があるということは、そこに無駄な緩みがあるということなので時間が経つと着崩れてきてしまいます。着崩れてくるとどうしてもだらしなく見えたり、スタイルが悪く見えたりしてしまいますね。
私個人的には皺も味だし、美しい皺というものも存在していると思っておりますので、着物のモデルさんや、雑誌のモデルさんのような皺ひとつないロボットのような着付けを目指す必要はないと思います。
自分が気にならず快適に過ごせる補整が出来れば、普段着の着物の補整は十分ではないでしょうか。
【胸の補正の方法】
胸の薄い方
タオルでベストを作ってみたり、綿でくぼんだ所を埋めたりします。手元にあるもので簡単にできるというメリットがあります。
夏は暑いですが、麻綿という涼しい素材のものも出ておりますし、へちまを工夫して使うこともできます。
胸だけではなくて、お痩せになっているけれど肩幅があるという方にも胸の補整は効果的です。
胸にボリュームのある方
ボリュームを抑えて、帯に胸がのらないようにしたいですね。晒で巻くというのが1番ですが、とにかく大変、胸当てというものを自分で作るというのもひとつです。私は作ってます。
胸を潰すことで肩のくぼみが減る場合があります。補整がいらなくなる方もいらっしゃいます。
人の体型は千差万別です。同じ人はいませんので、この補整下着ならば大丈夫と思っても合わない場合も多々あります。取り敢えず手持ちのもので、たくさん着物を着てみて足りない部分を見極めてみましょう。
質問もたくさん受け付けますので、コメント欄から聞いてくださいね。
次回は腰の部分の補整です。
投稿者プロフィール
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着付師
着物コーディネーター
茶道、華道、カラーコーディネート、フラワーコーディネーター資格所有
某着物学院講師20年
女子アナウンサー、オリンピック代表選手などの振袖着付け
神崎流地唄舞名取
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いつも楽しみにしています。補正は本当に難しいです。試行錯誤を繰り返して覚えていくものなのですね。